2024年5月、厚生労働省は「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」を公表しました。

フリーランスが安心して働くためには、安全衛生対策だけでなく、健康診断やストレスチェックなど、日頃からの健康管理が重要です。

日本芸能従事者協会では、この厚生労働省ガイドラインを踏まえ、アニメーション業界の実情に合わせた「アニメ制作従事者の健康管理に関するガイドライン」を作成・公開しています。

アニメーション制作には、演出、作画、仕上、美術、撮影、CG、編集、ポストプロダクション業務、制作など、多様な職種があります。

そのため、アニメーション制作の現場では、一般的な健康管理だけではなく、長時間労働や不規則な勤務、在宅作業など、制作現場の実情に応じた健康管理や安全衛生対策が求められます。

本ガイドラインは、アニメーション制作従事者の健康管理の基本的な考え方を整理するとともに、各分野における具体的な取組の基礎となることを目的として作成しました。

健康診断やストレスチェック、長時間労働対策、メンタルヘルス対策など、安全で安心して働ける制作環境づくりにご活用ください。

ガイドライン(PDF)はこちらからダウンロードできます。

ガイドライン本文(PDFと同一内容)

アニメーション制作従事者の健康管理に関するガイドライン

1 趣旨・運用

本ガイドラインは、アニメーション制作従事者つまりアニメーション制作に従事する個人事業者事業のうち労働者を使用しないもの及びアニメーション分野の中小企業の事業主若しくは役員(以下「個人事業者等」という。)が健康に就業するために、

  • アニメーション制作従事者等が自身で行うべき事項
  • アニメーション制作従事者等に仕事を注文する注文者又は注文者ではないものの、アニメーション制作従事者等が受注した仕事に関し、アニメーション制作従事者等が契約内容を履行する上で指示、調整等を要するものについて必要な干渉を行う者(以下「注文者等」という。)が行うべき事項や配慮すべき事項

等を周知し、それぞれの立場での自主的な取組の実施を促すものです。

<アニメ業種の実情や商慣習に応じた対応>

芸能分野には膨大な多岐にわたる業種があります。各芸能業種の注文者等や個人事業者等の団体、仲介業者等が、このガイドラインを参考に、芸能業種の実情や商慣習に応じた職種別のガイドラインを必要に応じて策定することを推奨します。

<「労働者」に該当する場合の留意点>

労働関係法令の適用に当たっては、契約の形式や名称にかかわらず、個々の働き方の実態に基づいて、「労働者」であるかどうかが判断されることになります。労働基準法上の「労働者」に該当すると判断された場合には、本ガイドラインによらず、「労働者」として、労働安全衛生法等の労働関係法令が適用されることに留意して下さい。

2 個人事業者等の健康管理の基本的な考え方と各主体の取組

<個人事業者等>

個人事業者等として事業を行う上では、自らの心身の健康に配慮することが重要であり、各種支援を活用しつつ自らで健康管理を行うことが基本になります。

<注文者等>

個人事業者等が注文を受けて仕事を行う場合には、注文者等による注文条件等が個人事業者等の心身の健康に影響を及ぼす可能性もあります。その影響の程度に応じて、注文者等が必要な措置を講じることが重要です。

個人事業者等が健康に就業することは、当該個人事業者等と継続的に業務を行う注文者等にとっては、事業継続の観点からも望ましいと考えられます。

<団体等>

個人事業者等や注文者等が加入する日本芸能従事者協会やアニメ安心ネット労災保険及びフリーランス安心ネット労災保険などの団体や仲介業者等には、個人事業者等及び注文者等がこれらの取組を円滑に実施することができるよう、必要な支援を行うように努めます。

3 個人事業者等が自身で実施する事項

個人事業者等には、1及び2を踏まえ、利用可能な各種支援を活用しながら、次の事項を実施してください。

(1)健康管理に関する意識の向上
  • 心身の健康に配慮した働き方、生活習慣の改善等についての知識を深め、心身の健康の保持増進に努めること。
  • 加入している医療保険者や自治体が行うセミナーのほか、労災保険に特別加入している者については産業保健総合支援センター及び地域産業保健センターを活用することも一つの方法です。また、事業者が雇用する労働者の健康確保のために実施している事項を参考とすることも有効な方法です。
(2)危険有害業務による健康障害リスクの理解
  • 健康に影響を及ぼすおそれのある危険有害業務に従事する場合には、あらかじめ当該業務による健康障害リスクや健康障害を防止するために対策についての知識を得ておくことが必要です。 (例:石綿、塗料など)
  • 当該業務に関係する安全衛生教育(労働者であれば特別教育が必要な業務については当該特別教育を含む。)を受講するとともに、請け負った危険有害業務による健康障害リスクや健康障害防止対策に関する情報の提供を注文者等に対して求めることが重要です。
(3)定期的な健康診断の受診による健康管理
  • 事業者に常時使用される労働者であれば、事業者が実施する労働安全衛生法の一般健康診断を受診する必要があることを参考にして、1年に1回、健康診断を受診すること。40歳から74歳の者については加入している医療保険者が行う特定健康診査を受診することができることに留意。
  • 健康診断において異常の所見が認められた場合には、精密検査を受けたり、医療機関を受診するとともに、仕事のペースの見直しなど業務による健康障害を防止するために必要な措置を講じることが重要。医療保険者が行う特定保健指導等を積極的に活用し、健康を保持するために必要な生活上の取組について指導を受けることも重要です。
  • 労働者であれば受診する必要がある労働安全衛生法第66条第2項に基づく健康診断、同条第3項に基づく歯科健康診断の対象となる有害業務に常時従事する場合又はじん肺法に基づくじん肺健康診断の対象となる粉じん作業に常時従事する場合は、これらの健康診断と同様の頻度で、同様の検査項目による健康診断を受けること。
  • 化学物質取扱作業に関する仕事を請け負った場合には、取り扱う化学物質に関する情報や注文者等が実施したリスクアセスメントの結果、注文者等が自らが雇用する労働者に対してリスクアセスメント対象物健康診断を実施する場合はその検査項目や頻度に関する情報を入手するように努め、入手したリスクアセスメントの結果から当該業務による健康障害リスクが許容される範囲を超えると判断されるときは、健康診断を受けること。

異常の所見が認められた場合には、精密検査を受けたり、医療機関を受診するとともに、仕事のペースの見直しなど当該業務による健康障害を防止するために必要な措置を講じることが重要です。

(4)長時間の就業による健康障害の防止
  • 自らの就業時間を把握して長時間になりすぎないようにすることが重要。一般の労働者に適用される時間外労働時間の上限規制を参考にして、就業時間を調整することが望ましいです。
  • 睡眠・休養の確保も含めた体調管理を行うこと。就業時間、睡眠時間を含めた日々の健康情報を管理するツールとしては、厚生労働省がインターネット上で無料配布している「マルチジョブ健康管理ツール」を活用するのも一つの方法です。

【Google Play URL】
 https://play.google.com/store/apps/details?id=co.jp.happy.news.MultiJob
【App Store URL】
 https://apps.apple.com/jp/app/id1499028732?mt=8

  • 長時間の就業によって疲労の蓄積を感じる場合は、長時間労働者に対する面接指導制度を参考に、医療機関への受診、医療保険者や自治体が実施している健康相談等を活用するとともに、仕事のペースの見直しなど業務による健康障害を防止するために必要な措置を講じることが重要。なお、労災保険に特別加入している個人事業者等については、産業保健総合支援センター及び地域産業保健センターを利用することも一つの方法です。
  • 疲労の蓄積の度合いについては、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」(以下単に「こころの耳」という。)に掲載している「疲労蓄積度セルフチェック」を活用して確認することもできます。
(5)メンタルヘルス不調の予防
  • ストレス要因に対するストレス反応や心の健康について理解するとともに、メンタルヘルスについて日頃からセルフケアに努めてください。「こころの耳」の「フリーランスの方のメンタルヘルスケア」「eラーニングで学ぶ15分でわかるセルフケア」を活用することもその一つの方法。
  • 労働者に対するストレスチェック制度を参考にして、自身のストレスの状況を把握できるツール(「こころの耳」に掲載している「ストレスセルフチェック」や「マルチジョブ健康管理ツール」におけるストレスチェック機能もその一つ)を活用して、定期的に、ストレスの状況を自身で確認することが重要です。
  • ストレスを自身で確認した結果、ストレスが高いと思われる場合は、労働者に対するストレスチェック制度を参考に、医療機関への受診や医療保険者や自治体が実施している健康相談等を活用するとともに、仕事のペースの見直しなど業務によるメンタルヘルス不調を防止するために必要な措置を講じることが重要。労災保険に特別加入している個人事業者等については、産業保健総合支援センター及び地域産業保健センターを利用することも一つの方法です。
(6)腰痛の防止
  • 長時間の座り作業や運転に従事するときは、「職場における腰痛予防対策指針」を参考にして、適切な作業姿勢、椅子等の調整、適切な休憩をとるなどが重要です。
(7)情報機器作業における労働衛生管理
  • パソコンやタブレット端末等の情報機器を使用して、データの入力・検索・照合等、文章・映像・イラスト・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング等を行う作業に従事するときは、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を参考にして、作業場所の明るさやディスプレイ・入力機器の選択・調整、作業台や作業姿勢の調整、作業時間の調整、定期的に情報機器作業に関する健康診断を受けるなどが重要。
(8)適切な作業環境の確保
  • 自らが作業環境を管理できる場所(自宅を含む。)で仕事をするときは、その場所の作業環境が適切なものとなるようにすること。
  • 事務作業であれば、事務作業に従事する労働者が主として使用する事務所の衛生基準を定めた事務所衛生基準規則を参考にして、適切な気積の確保、換気の実施、適切な温度の維持、適切な照度の確保等、適切な作業環境を確保することが重要。適切な作業環境の確保に当たっては、テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドラインの別紙2「自宅等においてテレワークを行う際の作業環境を確認するためのチェックリスト(労働者用)」 が参考にしましょう。

例えば、塗装作業における有機溶剤のほか、労働安全衛生法に基づくリスクアセスメント対象物である化学物質を取り扱う場合は、化学物質へのばく露が最小限となるように作業環境を整えることが重要です。

(9)注文者等が実施する健康障害防止措置への協力
  • 労働安全衛生法令に基づき、注文者から作業方法や保護具等に関する必要な措置について周知されたときは、周知された事項を遵守してください。
  • 個人事業者等本人を含め作業現場にいる作業者の健康障害を防止する観点から、注文者等が作業現場における安全衛生上の規律を定めるなどの措置を講じる場合は、個人事業者等はこれに協力してください。

4 注文者等が実施する事項

注文者等は、1及び2を踏まえ、次の(1)から(5)に掲げる事項を実施してください。

  • 仲介業者やプラットフォーマーも、個人事業者等に仕事を注文する場合は注文者に該当します。
  • 仲介業者やプラットフォーマーからは個人事業者等に仕事を注文しないが、個人事業者等が受注した仕事に関し、個人事業者等が契約内容を履行する上で指示、調整等を要するものについて必要な干渉を行う場合は、当該仲介業者やプラットフォーマーは注文者等として、当該仕事の注文者と連携して次の(1)から(5)に掲げる事項を実施してください。
  • 個人事業者等が注文者等に対して次の(1)から(5)に掲げる事項の実施を要請したことを理由として、個人事業者等との契約の途中解除や契約更新の拒否など、当該個人事業者等に対する不利益な取扱いをしてはなりません。
  • なお、次の(1)から(5)に掲げる事項については、注文者等が事業として個人事業者等に仕事を注文し、又は個人事業者等の契約内容の履行に対して必要な干渉を行う場合を念頭に置いたものですが、注文者等が一般消費者である場合についても、その注文や干渉が個人事業者等の健康に影響を及ぼす可能性があることに変わりはないため、その旨を十分に理解した上で、注文等を行うことが重要です。
(1)長時間の就業による健康障害の防止
  • 注文条件等によって仕事を受ける個人事業者等の就業時間が長時間になりすぎないよう、次のような 配慮をしてください。
  • 週末発注・週初納入、終業後発注・翌朝納入等の短納期発注を抑制し、納期の適正化を図ること。
  • 発注内容の頻繁な変更を抑制すること。
  • 長時間就業が余儀なくされるような短納期での大量発注を抑制すること。
  • 発注の平準化、発注内容の明確化など発注方法の改善を図ること。
  • 個人事業者等の就業時間や日々の業務量を特定する場合には、当該就業時間や日々の業務量が過密になること、作業までの個人事業者等の待ち時間が長時間に及ぶことを抑制すること。
  • 以下のケースのように、注文者等による注文条件等によって個人事業者等の就業時間や日々の業務量が注文者等の側で特定される場合は、そのことにより、就業時間が長時間になり、疲労の蓄積が認められる個人事業者等から求めがあったときは、長時間労働者に対する面接指導制度を参考にして、当該個人事業者等に対して医師による面談を受ける機会を提供すること。

(参考)個人事業者等の就業時間や日々の業務量が特定されるケースの例

1 注文者等が1日に配送すべき荷物量を指定するなど、注文者等が、日々の業務量を具体的に管理・指定しているようなケース

2 映画の撮影現場のように、個人事業者等の側で業務量が業務時間を自由にコントロールできないようなケース

3 個人事業者等が、注文者等の事業場に常駐して注文者等の労働者や他の個人事業者等と共同で一つのプロジェクトに従事するなど、個人事業者等の側で業務時間を自由にコントロールできないようなケース

  • 「機会を提供する」とは、面談を行う医師の紹介、医師による面談を受けるために注文条件等により注文者等の側で特定している就業時間の変更が含まれます。
  • この場合の個人事業者等からの医師による面談の求めは、注文者等による注文条件等で個人事業者等の就業時間や日々の業務量が特定されていることに起因して、当該個人事業者等の就業時間が長時間になり、疲労が蓄積したことによるものであるから、医師による面談に要する経費は、発注した仕事に必要な経費として、注文者等で負担することが望ましいです。
  • 「長時間」については、長時間労働者に対する面接指導制度において労働時間(休憩時間は含まない)が週40時間を超えた場合における、その超えた時間が1月当たり80時間を超えた者を対象としていることを参考にするのが良いが、本ガイドラインは、個人事業者等の日々の就業時間を把握することを注文者等に求めるものではない。同時に、個人事業者等から医師による面談の求めがあった場合に、注文者等として個人事業者等の就業実態を具体的に確認することを妨げるものでもありません。
  • 個人事業者等から医師による面談の求めがあった場合に、個人事業者等の疲労の蓄積の程度を注文者等が確認したいときは、個人事業者等から同意を得て、「疲労蓄積度セルフチェック」の結果その他の疲労の蓄積の程度に関する情報を入手することが考えられるでしょう。
  • 個人事業者等から、医師による面談の結果をもとに、注文者等による注文条件等によって特定されている就業時間や日々の業務量について変更を求められた場合は、必要な配慮をするように努めること。この場合において、注文者等が、必要な配慮を検討する上で必要な範囲で、個人事業者等から同意を得て、医師による面談の結果を取得することは考えられるでしょう。

上記の場合のほか、注文者等による注文等の条件に起因して個人事業者等の就業時間が長時間になってしまった場合などで、個人事業者等から健康確保に関する相談を受けた場合は、相談に応じ、必要な配慮を行うように努めてください。

注文者等は、個人事業者等から取得した疲労蓄積度セルフチェックの結果その他の疲労の蓄積の程度に関する情報、医師による面談の結果、個人事業者等からの健康確保に関する相談内容について情報管理を徹底するとともに、必要な配慮の検討以外の目的に利用してはなりません。また、これらの情報を基に個人事業者等に対して不利益な取扱いをしてはなりません。 等

(2)メンタルヘルス不調の予防
  • メンタルヘルスの不調を予防する観点からも、上記(1)の事項を実施してください。

特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律第14条では、同法第2条第6項に規定する特定業務委託事業者は同条第2項に規定する特定業務受託従事者対するハラスメント行為に関する相談対応のための体制整備などの措置を講じるよう規定されています。

同法の施行後においては、注文者が特定業務委託事業者であり、個人事業者等が特定業務従事者である場合は、同法第14条に基づく措置を講じる必要があります。

また、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)第11条 第4項に基づく「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」 等では、個人事業主を含む労働者以外の者に対する言動に関し行うことが望ましい取組が規定されています。

これらのハラスメントに関する措置義務や望ましい取組に基づき、個人事業者等のメンタル不調への対応に取り組んでください。

(3)安全衛生教育や健康診断に関する情報の提供、受講・受診機会の提供等
  • 個人事業者等に対して、安全衛生教育や健康診断に関する情報の提供、受講・受診機会の提供について配慮するようにしてください。
  • 受講・受診機会の提供については、安全衛生教育を行っている教習機関や健康診断を行っている機関の紹介、契約から仕事の開始までの間での受講や受診のための時間の確保、注文条件等により特定されている就業時間について受講や受診のための配慮のほか、注文者等が労働者に対して教育を行う際や健康診断を行う際に個人事業者等も対象に含めて実施することが考えられます。

健康診断結果を踏まえた健康管理は個人事業者等が自ら行うものであり、本ガイドラインは、個人事業者等の健康診断結果の取得を注文者等に求めているものではありません。

  • 個人事業者等が安全衛生教育・健康診断を適切に受診・受講できるよう、注文者等は、自らも行う仕事の一部を個人事業者等に注文する場合や個人事業者等に注文する仕事の安全衛生について、次の事項を把握している場合は、これらを情報提供してください。
  • 危険有害業務の内容、当該業務による健康障害リスクや健康障害防止対策に関する情報
  • 危険有害業務を行う際、労働者であれば必要となる特別教育や受講することが望ましい安全衛生教育
  • 危険有害業務を常時行う際、労働者であれば必要となる特殊健康診断等や受診することが望ましい健康診断
  • リスクアセスメント対象物である化学物質を注文者等の事業場等で労働者と一緒に取り扱う業務を個人事業者等に注文する場合は、当該業務に係るリスクアセスメントの結果、当該リスクアセスメントの結果に基づき注文者等が講ずるリスク低減措置(当該注文者等が元方事業者等からリスクアセスメント結果や当該リスクアセスメント結果に基づくリスク低減措置に関する情報の提供を受けている場合には当該情報を含む。)、リスクアセスメント対象物健康診断を注文者等が労働者に対して実施する場合にはその検査項目や頻度も情報提供に含めること。
  • 個人事業者等が作業を行う場を統括する者(元請事業者や制作会社の事業者など)は、個人事業者等 が作業場に入場する際等に、業務に関連して必要となる安全衛生教育や特殊健康診断等の受講・受診の有無を確認することなどにより、その受講・受診の促進を図ることが望ましい。当該確認については、場を統括する者が直接行う方法以外にも、協力団体などに委任する方法も考えられます。 等
(4)健康診断の受診に要する費用の配慮

【特殊健康診断等の受診に要する費用】

  • 労働安全衛生法第3条第3項においては、仕事を他人に請け負わせる者は、「安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない」旨が定められており、これには請負金額の費目等が含まれることを踏まえ、注文者等は、労働者であれば特殊健康診断等が必要となる危険有害業務を個人事業者 等に注文する場合には、個人事業者等が特殊健康診断等と同様の検査を受診するのに要する費用の全部又は一部を負担するよう配慮してください。
  • 個人事業者等が特定の一者の注文者からのみ注文を受けて、労働者であれば、特殊健康診断等が必要な業務を常時行っている場合で、当該注文に係る仕事の契約期間が6月以上である場合(6月未満の契約を繰り返して締結し、各々の契約期間の終期と始期の間の短時日の間隔を含めて通算することで6月以上となっている場合を含む。)には、当該期間において個人事業者等が特殊健康診断等と同様の検査を受診するのに要する費用の全額を当該注文者が負担してください。
  • 個人事業者等が特定の一者の注文者から受注した仕事の契約期間が上記のように通算して6か月以上とはならない場合であっても、個人事業者等が一又は複数の注文者から注文を受けて、労働者であれば、特殊健康診断等が必要な業務を常時行っている場合は、例えば、個人事業者等としては、特殊健康診断等を受診するための費用を日単位に分割しておき、これに注文を受けた仕事に要した実働日を乗じた額をそれぞれの注文者に請求することも考えられるが、個人事業者等からこのような請求があった場合には誠実に応じることが望ましいです。

【一般健康診断の受診に要する費用】

  • 注文者が個人事業者等に注文する際または注文後において、当該仕事に要する個人事業者等の作業時間が契約期間で平均して1週間につき40時間程度となることが見込まれ、かつ、期間が1年以上である契約又は一つの契約期間が1年に満たなくても、更新等により、繰り返し契約を締結し、各々の契約期間の終期と始期の間の短時日の間隔を含めて通算することで1年以上となる契約である場合には、当該個人事業者等が一般健康診断と同様の検査を受診するのに要する費用を当該注文者にて負担することが望ましいです。
  • なお、保険者が行う特定健康診査の対象になる40歳から74歳の個人事業者等は特定健康診査を受診することができるため、注文者等で個人事業者等が一般健康診断と同様の検査を受診するのに要する費用を負担する必要はありません。
(5)作業場所を特定する場合における適切な作業環境の確保
  • 注文する仕事の性質により、個人事業者等の就業場所を注文者等が特定する場合は、当該注文者等は、労働安全衛生規則及び事務所衛生基準規則を参考にして、当該場所について、気積の確保、換気、室内の温度管理、照度の確保、トイレ及びポータブルトイレの設置など作業に適切な環境を確保してください。

注文者等が当該場所を管理していない場合においては、当該場所を管理又は貸与する者に、これらの措置が講じられていることを確認するとともに、適切な作業環境を確保するための措置がなされていない場合は、就業場所を変更すること(仕事の性質上可能な場合に限る。)や当該場所を管理又は貸与する者に申し入れて作業環境を改善することなどの措置を講じることが望ましいです。等

5 個人事業者等や注文者等の団体等に期待される取組

個人事業者等や注文者等が加入する業種・職種別の団体や仲介業者には、個人事業者等及び注文者等が、それぞれの立場で上記3及び4の取組を円滑に実施することができるよう、必要な支援を行うことが期待されます。

  • 本ガイドラインの内容を個人事業者等及び注文者等に周知して、その実施を促すことのほかに、例えば、個人事業者等に対して、心身に配慮した働き方や生活習慣の改善に関する情報、業務による健康障害リスクや健康障害を防止するために必要な対策に関する情報、安全衛生教育を行っている教習機関や健康診断実施機関に関する情報を提供すること、個人事業者等を対象とした安全衛生教育を自ら行うこと、メンタルヘルスを含む健康相談に対応することが考えられます。
  • 本ガイドラインを参考に、それぞれの業種・職種の実情や商慣習に応じた具体的内容や追加事項を示した業種・職種別のガイドラインを必要に応じて策定することが推奨されます。なお、業種・職種別のガイドラインの検討に当たっては、個人事業者等、注文者等の双方の意見を十分に踏まえたものとすることが望ましいこと。
  • 注:このガイドラインは令和6年3月に厚生労働省から出された「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン案」をアニメーション制作従事者向けに改編したものです。
  • ※著作権は一般社団法人日本芸能従事者協会、特別加入団体 アニメ安心ネット労災保険、特別加入団体 フリーランス安心ネット労災保険に帰属します。団体名を表示したままであれば、ダウンロード・配布してご利用いただけます。

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