日本芸能従事者協会は設立以来、芸能従事者、アニメーション制作従事者及び幅広い分野で働くフリーランスの労災補償、事故防止、健康管理、労働安全衛生の確保に取り組んで参りました。

日本芸能従事者協会は、2021年に労災保険特別加入団体「全国芸能従事者労災保険センター」を設立したことを契機として設立されました。その後、「フリーランス安心ネット労災保険」「アニメ安心ネット労災保険」を設立し、現在は芸能・アニメーション制作・その他のフリーランスを対象とする三つの特別加入団体を運営しています。
このページでは、当協会と労災保険特別加入団体の歩み、当協会が関わってきた国内制度の検討経過、国内外の公的機関・専門機関が公開している労働安全衛生の一次資料を掲載します。
日本芸能従事者協会と労災保険特別加入団体の歩み
2021年 全国芸能従事者労災保険センターと当協会の設立
2021年4月1日、労災保険特別加入制度の対象が、芸能関係作業従事者及びアニメーション制作作業従事者等へ拡大されました。当協会は、制度の開始に合わせて、東京労働局の承認を受けた「全国芸能従事者労災保険センター」を設立しました。この団体の設立を契機として、同年9月に一般社団法人日本芸能従事者協会を設立しました。
2022年6月1日 「芸能従事者こころの119」の開設
当協会は、芸能従事者のメンタルヘルスを支えるため、臨床心理士による相談窓口「芸能従事者こころの119」を開設しました。その後、専門健康心理士、公認心理師・臨床心理士、産業医等と連携する支援体制を整備しています。
2022年~ 労災保険と安全衛生に関する定期勉強会
当協会は2022年から、芸能従事者を対象に、特別加入労災保険、メンタルケア及び安全衛生に関するオンライン勉強会を継続して開催しています。2025年7月の第19回までは、action4cinema/日本版CNC設立を求める会との共同主催で実施しました。
2024年6月の第14回から「特別加入労災保険と安全衛生に関するオンライン勉強会」へ名称を改め、その後も当協会が継続し、2026年8月に第26回を開催しました。
2024年10月30日 フリーランス芸能従事者の安全衛生対策と健康管理
厚生労働省安全衛生部の担当官を招き、個人事業者等の安全衛生対策、芸能分野における安全衛生と健康確保及び健康管理ガイドラインについて、オンライン勉強会を開催しました。担当官による説明をアーカイブ動画として公開しています。
2024年11月 フリーランスへの特別加入制度の拡大
2024年11月1日、企業等から業務委託を受けて働くフリーランスが、新たに労災保険特別加入制度の対象となりました。
2024年11月1日 「芸能従事者ハラスメント110番」の開設
フリーランス法の施行に合わせ、当協会は、仕事上のハラスメントについて相談できる「芸能従事者ハラスメント110番」を開設しました。発注事業者に義務付けられる相談窓口とは別に、受注者団体の自主的な取組として、相談者のメンタルケアを重視しながら、再発防止につながる支援を行っています。
2025年6月~ 「知って活かす!」法制度勉強会
当協会は、芸能従事者やフリーランスが法制度を現場で活用できるよう、公正取引委員会や厚生労働省の担当者等による「知って活かす!」オンライン勉強会を継続して開催しています。フリーランス法、ハラスメント対策を含む就業環境の整備、芸能人の取引適正化指針、改正労働安全衛生法等を取り上げています。
当協会のハラスメント110番等に寄せられた相談を踏まえ、2026年1月には、厚生労働省雇用環境・均等局参事官(雇用環境政策担当)の山口了子氏より、ハラスメント対策を含むフリーランス法上の就業環境整備について解説いただきました。
2025年9月 フリーランス安心ネット労災保険の設立
芸能分野で副業・兼業をされる講師をはじめ、美術家、文筆家、漫画家、ジャーナリスト、スポーツ関係者等、幅広い分野で働くフリーランスが労災保険を利用できるよう、東京労働局の承認を受けて「フリーランス安心ネット労災保険」を設立しました。
2026年3月19日 厚生労働省労災保険部会への出席
「フリーランス安心ネット労災保険」として、厚生労働省「第129回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」のヒアリングに出席しました。母体法人である日本芸能従事者協会と二つの特別加入団体の運営状況、災害防止活動、労災事故の状況及びフリーランスへの支援等について報告しました。
2026年6月29日 アニメ安心ネット労災保険の設立と承認
2026年6月29日、アニメーション制作に携わるフリーランス・個人事業者等を対象とする労災保険特別加入団体「アニメ安心ネット労災保険」を設立し、東京労働局から特別加入団体として正式に承認されました。
個人事業者・フリーランスの労働安全衛生をめぐる国内制度
2021年3月26日 芸能従事者の事故防止に関する通達
個人事業者等を含む芸能従事者の就業中の事故防止対策を徹底するため、総務省、文化庁、厚生労働省及び経済産業省の連名による通達が発出されました。
2022年8月1日 個人事業者等の安全衛生対策に関する検討会
当協会は、厚生労働省「第3回個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」の業界団体ヒアリングに出席しました。当協会が実施した調査及び現場から寄せられた事例を基に、芸能従事者の就業実態、事故・健康障害の実態及び必要な安全衛生対策について報告しました。
2023年10月13日 令和5年版過労死等防止対策白書(芸術・芸能分野の実演家調査)
厚生労働省が「令和5年版 過労死等防止対策白書」を公表しました。芸術・芸能分野の実演家の働き方の実態等に関する調査結果が掲載されています。当協会は、本調査の実施に協力しました。
2023年10月27日 厚生労働省検討会報告書
厚生労働省が「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」報告書を公表しました。
2024年10月11日 令和6年版過労死等防止対策白書(芸術・芸能分野のスタッフ調査)
厚生労働省が「令和6年版 過労死等防止対策白書」を公表しました。芸術・芸能分野のスタッフの働き方の実態等に関する調査結果が掲載されています。当協会は、本調査の実施に協力しました。
関連動画|芸術・芸能分野の過労死等防止対策白書を読み解く
労働安全衛生総合研究所・過労死等防止調査研究センター長の高橋正也先生が、実演家・スタッフ調査の結果とその背景を解説しています。動画では、当協会が調査に協力した経緯についても紹介されています。
2025年5月 改正労働安全衛生法と衆議院附帯決議
2025年5月14日、「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」が公布され、労働者と同じ場所で働く個人事業者等が、労働安全衛生法による保護の対象及び義務の主体として位置付けられました。
同年5月7日の衆議院厚生労働委員会附帯決議には、個人事業者等及び芸能従事者の安全衛生対策に関する事項が明記されました。
2026年 ILO第155号条約の批准と改正法関係通達
2026年4月1日、日本がILO第155号条約を批准しました。同年5月26日には、改正労働安全衛生法に基づく個人事業者等の安全衛生対策に関する通達が発出されました。
国際連携
当協会は、海外の文化芸術団体や専門機関との対話を通じて、芸術・芸能分野の安全、健康、権利及びウェルビーイングに関する知見の共有にも取り組んでいます。
2026年2月24日 カンボジアとのセーフガーディングに関する国際対話
カンボジアの文化芸術団体CICADAが主催し、国際交流基金及び当協会の協力により、「ArtSafe Exchange:芸術家・文化芸術従事者のためのセーフガーディングに関するカンボジア・日本対話」が開催されました。
2026年2月24日 カンボジアとの国際対話とセーフガーディング・ガイドラインの策定
カンボジアの文化芸術団体CICADAが主催し、国際交流基金及び当協会の協力により、「ArtSafe Exchange:芸術家・文化芸術従事者のためのセーフガーディングに関するカンボジア・日本対話」とワークショップを開催しました。
日本における芸能従事者の安全衛生、権利及び社会保障の取組を共有し、カンボジアの文化芸術分野におけるセーフガーディング・ガイドラインを策定しました。
2026年5月3日 韓国・全州国際映画祭での討論会
韓国映画ジェンダー平等センター「ドゥンドゥン」及び韓国映画振興委員会(KOFIC)が主催する、全州国際映画祭「映画産業の未来のための実践戦略―日韓における労働・安全・ジェンダー平等討論会」に、当協会の森崎代表理事が登壇しました。
日本と韓国の映画・映像産業における労働環境、安全衛生、ハラスメント対策及び相談支援の取組を比較し、より安全で持続可能な制作環境について意見交換を行いました。
2027年4月1日 関係規定の施行とILO第155号条約の発効
改正労働安全衛生法のうち、個人事業者等の安全衛生対策に関する一部の規定が施行されます。同日、日本においてILO第155号条約が発効します。
海外の芸能分野における労働安全衛生
海外の公的機関・専門機関が公開している、芸能、舞台芸術、映画、映像、クリエイティブ分野の労働安全衛生に関する一次資料です。
ILO(国際労働機関)
EU-OSHA・OiRA
英国HSE
米国
- California Film Commission|Safety in Motion Picture Productions
- Contract Services|Safety Pass Training Program
アイルランド
国際俳優連盟(FIA)
※各資料の内容及び利用条件については、リンク先の各機関の表示をご確認ください。
