感電・火傷・火災等の労災事故を防ぐために

舞台、コンサート、イベント、撮影現場などの制作現場では、LED機器、大型電飾パネル、照明機材、配線、電源まわりなど、電気機器に関わる作業が日常的に行われています。

電気作業や電飾機材の使用に伴う感電、火傷、電撃傷、火災、衣装や装備品の巻き込まれ等の事故は、重篤な後遺症や死亡につながるおそれがあります。

本ページは、照明・電気工事等の専門技術を解説するものではなく、芸能従事者、フリーランス事業者、制作会社、劇場・ホール、イベント主催者、舞台監督、照明、美術、衣装、出演者など、制作現場に関わる皆さまに確認いただきたい安全対策をまとめたものです。

当協会では、労災保険団体として、事故発生後の補償だけでなく、労災事故を未然に防ぐための情報提供にも取り組んでいます。産業医による感電・火傷・電撃傷の解説動画とあわせて、現場での安全確認にご活用ください。

産業医による感電および火災リスクへの基本対策動画

感電や電撃傷は、外見上の傷が小さく見える場合でも、身体の内部に重大な影響が生じていることがあります。また、火傷についても、範囲や深さによっては重篤な状態につながることがあります。

事故発生時には、現場で軽く判断せず、速やかに救急対応につなげることが重要です。まずは、感電・火傷・電撃傷が身体に与える影響や、事故発生時に必要となる初期対応について、産業医による解説動画をご覧ください。

産業医による解説動画

産業医視点で考える|芸能現場の感電および火災リスクへの基本対策 - YouTube

芸能現場では、照明、電源、配線、舞台装置など、電気を扱う多様な作業が日常的に行われています。そうした現場では、感電や火災のリスクに対する基本的な理解と備えが欠…

電気作業や電飾機材の使用で確認したい安全対策

電気作業や電飾機材の使用に際しては、実際に作業を行う方だけでなく、出演者、制作会社、劇場・ホール、イベント主催者、舞台監督、照明、美術、衣装、その他関係者の皆さまにも、事故防止の観点から確認いただきたい事項があります。

1. 感電・火災リスクへの基本対策

電気機器、電飾機材、照明機材、配線、接続部、電源まわりについて、破損、劣化、過熱、接触不良、漏電等のおそれがないかを事前に確認してください。

必要に応じて、絶縁手袋等の保護具の使用環境を整え、作業前後の点検や日常的な注意喚起を行うことが重要です。

2. 必要な資格・経験を有する方の関与

電気作業の内容によっては、専門的な知識、資格、経験が必要となる場合があります。誰がどの範囲の作業を行うのか、必要な資格・経験を有する方が関与しているかを、事前に確認してください。

判断が難しい場合には、専門性のある方に確認し、安全管理体制のもとで作業を行うことが大切です。

3. フリーランス事業者の労災保険加入状況の確認

フリーランスの芸能従事者やスタッフが、電気作業、設営、撤収、機材運搬、舞台・撮影・イベント現場での作業に関わる場合には、業務内容や作業範囲とあわせて、労災保険への加入状況についても事前に確認することが重要です。

感電、火傷、転倒、巻き込まれ等の事故は、重篤な後遺症や死亡につながるおそれがあります。労災保険の確認は、万一の補償だけでなく、安全管理体制を見直すきっかけにもなります。

4. 衣装・装備品と機材との接触防止

出演者の衣装や装備品についても、事故防止の観点から事前確認が必要です。長い布、紐状の装飾、金属部品、燃えやすい素材、機材に巻き込まれやすい構造などは、照明機材や電飾機材との接触、巻き込まれ、発火、火傷等につながる可能性があります。

演出上必要な衣装であっても、着用方法、動線、機材との距離、火気や電飾との接触の有無について、関係者間で確認してください。

5. アスベスト等の有害物質を含む素材への対応

アスベストは、耐熱性能の有無にかかわらず、重大な健康被害につながる危険有害物質です。制作現場で使用する美術、装飾、衣装、道具等について、アスベストを含む可能性がある素材は使用しないようご配慮ください。

含有の疑いがある場合には、使用状況を確認し、必要に応じて使用を中止し、代替品への交換等の対応を行ってください。

6. 事故発生時の救急対応

感電、火傷、電撃傷等が発生した場合は、直ちに作業を中止し、安全を確保したうえで、速やかに119番通報等の救急要請を行ってください。

意識障害、呼吸や脈の異常、強い痛み、広範囲の火傷、しびれ等がある場合には、AEDを含む適切な応急処置につなげることが重要です。現場内で、緊急時の連絡体制やAEDの設置場所をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。

よくある質問

LED機器でも感電や火災の危険はありますか?

あります。LED機器は従来の機材に比べて発熱や消費電力が抑えられる場合がありますが、電源、配線、接続部、施工方法、使用環境によっては、感電、火傷、火災等の事故につながるおそれがあります。使用前の点検と、設置・撤収時の安全確認が重要です。

電気作業は誰が行ってもよいのでしょうか?

作業内容によっては、資格や専門的知識、経験が必要となる場合があります。制作現場では、誰がどの作業を担当するのか、必要な資格・経験を有する方が確認しているかを事前に整理することが大切です。判断が難しい場合は、専門家に確認してください。

フリーランスとして業務委託を受けて作業する場合、労災保険の確認は必要ですか?

はい。フリーランスの芸能従事者やスタッフが、電気作業、設営、撤収、機材運搬、舞台・撮影・イベント現場での業務に関わる場合には、労災保険への加入状況を事前に確認することが重要です。

労災保険の確認は、事故が起きた場合の補償だけでなく、作業内容や安全管理体制を見直すうえでも大切な確認事項です。

衣装や装備品でも事故が起きることがありますか?

あります。袖や丈の長い衣装、紐状の装飾、金属部品、可燃性の高い素材などは、機材への巻き込まれ、電飾や照明機材との接触、発火、火傷等につながる場合があります。出演者本人だけでなく、衣装、美術、照明、舞台監督等の関係者間で、事前に確認することが重要です。

アスベストを含む可能性のある素材は、耐熱性があれば使ってもよいですか?

使用しないように配慮してください。アスベストは、耐熱性能の有無にかかわらず、重大な健康被害につながる危険有害物質です。

制作現場で使用する美術、装飾、衣装、道具等について、アスベストを含む可能性がある場合には、業務を受託したフリーランスの芸能従事者等が個人で判断・対応することが難しい場合があります。

発注者、主催者、制作会社、現場責任者等において使用状況をご確認いただき、含有の疑いがある場合には、必要に応じて使用中止や代替品への交換等をご検討ください。

また、現場で不安を感じる素材がある場合に、関係者間で確認しやすい環境づくりにもご配慮をお願いいたします。

感電や火傷が起きた場合、まず何をすべきですか?

直ちに作業を中止し、安全を確保したうえで、速やかに119番通報等の救急要請を行ってください。感電事故では、外見上の傷が小さく見えても、身体内部に影響が生じている場合があります。

意識障害、呼吸や脈の異常、強い痛み、しびれ等がある場合には、AEDを含む応急対応につなげてください。

この安全対策は、誰に向けたものですか?

制作会社、劇場・ホール、イベント主催者、舞台監督、照明、美術、衣装、出演者、フリーランスの芸能従事者など、制作現場に関わるすべての方に向けたものです。電気作業そのものを行う方だけでなく、現場全体で安全確認を行うための参考としてご活用ください。

関係者の皆さまへのお願い

制作現場における安全確保は、出演者、スタッフ、発注者、制作会社、劇場・ホール、イベント主催者など、関係するすべての方々のご理解とご協力によって支えられています。

本ページは、表現活動や演出を制限することを目的とするものではなく、芸能従事者やフリーランス事業者が安心して業務に従事できる環境づくりのための注意喚起です。

華やかな演出を安全に実現するためにも、電気作業や電飾機材の使用に際しては、事前確認、必要な資格・経験を有する方の関与、労災保険加入状況の確認、緊急時対応の整備について、あらためてご確認をお願いいたします。

関連するお知らせ・参考ページ

当協会では、電気作業における芸能従事者の安全対策・災害防止へのご協力について、関係各位にお願いを行っています。あわせてご確認ください。

労災保険に関するご案内

芸能従事者やフリーランス事業者が業務中または通勤中に事故にあった場合、労災保険の特別加入により、一定の要件のもとで補償を受けられる場合があります。

電気作業、設営、撤収、機材運搬、舞台・撮影・イベント現場での業務に関わる方は、万一の事故に備え、労災保険への加入をご検討ください。

お問い合わせ

芸能従事者の労災保険、フリーランス事業者の労災保険に関するご相談は、当協会までお問い合わせください。

一般社団法人 日本芸能従事者協会
安全対策委員会(全国芸能従事者労災保険センター/フリーランス安心ネット労災保険)