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どうして芸能従事者やフリーランスに労災保険の制度ができたのですか?
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約30年前から俳優や講談師たちは、制作現場で事故が多いことから手厚い保険制度によって芸能界で働く人が守られる補償を求めていました。ここ数年の「働き方改革」のながれで、フリーランスの保護の機運が高まりました。そこで当事者が厚労省に提案したのが「芸能の仕事をするすべての人を対象にした制度」でした。その結果、2021年に「芸能従事者」と呼ばれる、あらゆる職種の実演家とスタッフが初めて対象になりました。
その3年後に「特定フリーランス業」として、これまで労災保険に入れなかったすべての業種が対象になりました。当協会では、この両方の労災保険に加入できます。
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感染症に保険は出ますか?
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新型コロナウイルスは保険の対象です。仕事で感染したことが明らかだったり、感染リスクが高い仕事で感染して、療養などが必要だと認められると、休業補償も給付されます(詳細)。インフルエンザは感染経路が特定がしにくいことから、労災保険が給付されたことはほとんどありません。
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美術家は芸能従事者ではないのですか?
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残念ながら芸能従事者ではありません。令和3年の厚生労働省の法令では、芸能の作業を「放送番組(広告放送を含む。)、映画、寄席、劇場等における音楽・演芸その他の芸能の提供の作業又はその演出若しくは企画の作業であって、厚生労働省労働基準局長が定めるもの」とされています。芸能に類する美術は芸能従事者ですが、成果物が美術作品である場合は、どうしても芸能には入りません。従って、美術家や美術モデル等のお仕事はフリーランス事業に分類されます。
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外国人も対象ですか?
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日本で、日本の芸能のお仕事をされる方は外国籍の方も対象です。当団体には外国人の方が何年も加入されていらっしゃいます。
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イベントの仕事は芸能?フリーランス?どちらですか?
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成果物が何か?がポイントですが、なかなか判断が難しいので、加入時は丁寧にお仕事の内容を教えていただいています。これまでの例では、モーターショーやファッションショーは芸能、デパートの催事、地域のお祭り、企業のセミナーはフリーランス事業とされています。わからなくて当然なのでお気軽にお問い合わせください。
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芸能とフリーランス両方入るとお値段は2倍ですか?
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いいえ。当協会でダブル加入される場合は、ふたつ目の会費は無料、手数料はそれぞれ千円割引します。保険料をお仕事の量によって按分すればほぼ一つの保険と変わりません。万一の労災で幅広く保険が使えるように、複数のお仕事をされている方にはダブル加入をお勧めします。
【芸能とフリーランス保険、両方にダブル加入の方の料金の割引】
2つ目の保険の会費:無料
2つ目の保険の入会金:3,000円→ 2,000円(千円割引)
2つ目の保険の更新料:2,000円→ 1,000円(千円割引)
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お支払いの例:
今月(9月)から来年2026年3月31日まで、給付基礎日額3,500円の保険にダブルでご加入の方の場合
(保険料:320円× 7ヶ月=2,240円) + (会費:0円) +(入会金:2,000円)=合計4,240円 ←5,200円お得※会員の方は、産業医や各種相談窓口などのサービスが無料でお使いいただけます。
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労災保険指定病院はどこですか?
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厚生労働省のホームページで全国の労災病院が探せます。労災保険指定医療機関検索
診療科目からも検索できますので、目的に応じて見つけてください。
労災の場合、全額払いになることがありますので、負担額が大きくなりそうな時はあらかじめ病院や薬局に問い合わせていただくと安心です。
芸能従事者労災保険について
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「芸能従事者」とは、誰のことですか?
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芸能の仕事をするあらゆる人です。2021年、この労災保険が適用された時にできた言葉で、法律(労災保険法第46条18)に「6」が新しく追加され、保険の対象が「放送番組(広告放送を含む)、映画、寄席、劇場等における音楽、演芸その他の芸能の提供の作業又はその演出若しくは企画の作業であつて、厚生労働省労働基準局長が定めるもの」とされています。
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「芸能従事者」は、具体的にどんな人ですか?
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詳しくルールを定めた厚労省の通達では「加入者の承認に当たっては、職種を限定するものではないため、業務内容等の実態をみて判断すること」とされています。その上で次の職種が例にあげられました。
ア 芸能実演関係
俳優(舞台俳優、映画及びテレビ等映像メディア俳優、声優等)、舞踊家(日本舞踊、ダンサー、バレリーナ等)、音楽家(歌手、謡い手、演奏家、作詞家、作曲家等)、演芸家(落語家、漫才師、奇術師、司会、DJ、大道芸人等)、スタント、その他類似の芸能実演に係る作業に従事する者イ 芸能製作関係
監督(舞台演出、映像演出)、撮影、照明、音響・効果、録音、大道具、美術装飾、衣装、メイク、結髪、スクリプター、アシスタント、マネージャー、その他類似の芸能製作に係る作業に従事する者当センターには200種をこえる方が加入しています。私は芸能従事者なのか?と悩んだら、お気軽にご相談ください。
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プロデューサーや脚本、宣伝も対象ですか?
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対象です。
シナリオハンティングやロケハンなどが「企画」や「打ち合わせ」の作業に該当しますので、撮影ではない時も保険の対象と考えられます。お気軽にご相談ください。
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海外での撮影や公演は保険の対象ですか?
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「日本で契約した仕事」は、ロケ地や公演場所が海外でも対象になると言われています。厳密には個別の判断になりますので、具体的なケースをご相談ください。
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現場に行く時や、移動中の事故も保険の対象ですか?
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対象です。お住まいの場所からお仕事の現場への通勤災害や、仕事中に場所を移動した時の事故(ロケ先から別のロケ先、地方公演から別の地方の公演への移動等)などが対象です。
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アニメの労災保険は芸能と別ですか?
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A 別です。アニメの仕事をする人は、「アニメーションの制作作業従事者」として、芸能従事者と別に定義づけされています。具体的には以下の通りです。(労災則第46条の18第7号)
ア ) アニメーション制作関係
キャラクターデザイナー、作画、絵コンテ、原画、動画、背景、その他類似する作業を行う者
イ) アニメーション演出関係
監督(アニメ映画監督、作画監督、美術監督等)、演出家、脚本家、編集(音響、編集等)、その他類似する作業を行う者
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大道具のスタッフですが、今まで建設業の一人親方の労災保険に入っていました。芸能の労災保険に入る必要がありますか?
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仕事の作業に応じて入る必要があります。
建設の事業は「土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊若しくは解体又はその準備の事業」(労災則第46条の17第2号)と規定されています。
◯建設の作業:大規模な舞台や大道具を製作するに当たり、建設の事業の様態を伴って行う作業
◯芸能の作業:建設の様態を伴わずに舞台上に設置できる程度の大道具、背景等を製作・設置する作業
建設と芸能それぞれの作業で労災保険を受けるためには、両方加入をしていることが必要です。
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スタントの仕事をしています。どう見ても怪我をするだろうと思われるような演技をしていますが、保険は適用されるのでしょうか?
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スタントに限らず、危険を伴う作業については、厚労省の通達に「故意に安全装置を無効化させる等の積極的行為が無ければ、支給制限の対象とならない」とされています。
つまり、セーフティー(補助)の配置を怠って、セーフティーマットや安全帯、消火器の準備をしない等の、不安全行為をして怪我をしてしまうと、保険の対象になりません。事故防止のために、しっかりと安全管理をしてください。
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事務所に所属しています(雇用はされていません)。事務所で民間の労災保険に入ってくれているので、この特別加入労災保険は加入できないのでしょうか?
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できます。これは政府の労災保険なので、民間の保険と重複しても問題ありません。
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副業でアルバイトをしています。バイト先で労災保険に入っていると、この特別加入労災保険には加入できないのでしょうか?
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加入できます。アルバイト先の労災保険とこの特別加入労災保険は、どちらかの仕事で労災にあって給付を受ける場合、給付額が合算されます。休業補償を受ける時も合算されます。