熱中症は適切な対処をおこたると後遺症が残ったり、死亡することもある、おそろしい疾患です。
近年の世界的な温暖化や夏が酷暑になるにつれ、ますます危険性を増しています。
芸能従事者も熱中症対策は重要です。

ロケ撮影やイベント公演などの屋外活動に限らず、屋内での活動の際にも注意が必要です。

1. 熱中症予防対策の義務化

2025年6月1日に労働安全衛生規則改正が施行されました。これにより、現場で働く人(個人事業者を含む)が熱中症にならないように、事業者(現場を管理する人)が予防策を講ずることが義務化されました。
日本芸能従事者協会にも、厚生労働省厚生働省働基準局安全衛生部長から通知が届いています。

https://artsworkers.jp/news/2025-5-30/

芸術・芸能分野の制作現場でも、熱中症にならないように「危険予知」をして、適切な対策をとることで、安全で働きやすい就業環境を作ることが大切です。

2. 芸能従事者の熱中症災害を減らすために

熱中症災害を減らすためには、現場にいる各ポジションの一人ひとりが入念な予防をした上で、熱中症が発生したら 見つける→判断する→対処する の3段階で対応します。
芸能従事者が働く現場で必要なガイドラインを、当協会の安全衛生推進アドバイザー(産業医、労働安全衛生コンサルタント等)及び全国芸能従事者労災保険センターの安全衛生委員で作成いたしましたので、ご自由にダウンロードいただき、現場でお役立てください。

ガイドラインは、台本に印刷することができます。周知・啓蒙のためにぜひお役立てください。
詳しくは下記をご覧ください。

3. セルフチェック「芸能従事者の熱中症レベル表」(ガイドラインより抜粋)

ガイドライン内「②熱中症が発生したら」のSTEP3より、症状の重さを確認するためのレベル表を抜粋しました。スマートフォンなどに保存して携帯できるサイズの画像です。スクリーンショットを撮るかダウンロードして常に携帯し、ご自身の熱中症レベルが危険ではないか、まめに確認してください。

4. もしもの時のために

夏のロケや厚い衣装をつけた舞台など、暑い中での活動が増えるこの季節、熱中症予防対策はとても重要です。
こまめな水分・塩分補給、こまやかな休憩、衣装や装備の工夫、そして日頃からの体調管理によって、熱中症のリスクを大きく減らすことができます。
それでも、思いがけず体調を崩してしまうことはあり得ます。
そんな“もしも”に備えるためのサポートが、労災保険です。
熱中症も補償の対象となる芸能従事者向け労災保険に加入しておくことで、現場で安心してパフォーマンスや作業に集中することができます。芸術・芸能の現場で働くすべての方に知っていただきたい制度です。

労災保険の詳細やご加入について知りたい方は、全国芸能従事者労災保険センターまで、お気軽にお問い合わせください。